RAM DISKをレビューして高速化体験記

パソコンを軽快で快適にしたり、
ハードディスクやSSDの負担を減らすために、
余計なゴミファイルを溜めないために、
RAM DISKを使いこなしましょう。

メモリの増設の目的

メモリの容量が少ないと、
パソコンが重い動作になってしまいます。

なので、メモリを増やしたいのですが、
32bitのWindowsだと4GBの壁があるので、
OS管理外メモリを使いたいと思いました。
その奮闘記です。

メモリ購入

32bitWindowsのメモリは、
10でも、8.1でも、7でも、VISTAでも、XPでも、
最大4GBまでしか認識しません。

しかも、システムが使うメモリアドレスがあるので、
実質、使えるのは3GB前後しかありません。

大抵のマザーボードは、
メモリスロットが4つあるので、
OS管理外領域を使いたいなら、
各メモリを、1GB以上にする必要があります。

ただ、昔のパソコンを、
ガチで強化する気は無いので、
中古で安く手に入れてきたのは、
2GB×2枚、1GB×2枚の合計6GB。

メインメモリに4GB、
RAM DISKに2GBを使いたいと思います。

RAM DISK選びで難航

RAM DISKソフトはいっぱいあって、
選ぶのが大変ですね。

条件は

  • OS管理外領域を使える
  • OS管理外メモリの最大値を取得できる(制限無し)
  • NTFS対応
  • OS起動時に自動マウント
このあたりで探してみます。

VSuite Ramdisk Free Edition

今まで、OS管理内メモリで使ってた時は、
一切、問題無くて最高でした。
設定も簡単、動作も安定していました。

でも、メモリを増設して4GBを超えると、
ブルースクリーンで、強制再起動の報告がいっぱいあります。
OS管理外メモリを使いたいので、今回は他を探します。

Gavotte Ramdisk

公式サイトが無く、
ファイルも古いため、リンク切れ多発。
しかも、どうやら出所不明の中華製。

日本で、使用者が一番多そうですが、
積極的に選ぶ理由は、見当たりません。

BUFFALO RAMDISK ユーティリティ

BUFFALOはパソコン周辺機器メーカーで、
メモリも売ってる日本メーカーなので、
安心できるかと思ったら、
BUFFALOのメモリを使ってないと、
不具合だらけで、とても評判が悪い様子。

ハード作りは得意だけど、
ソフト作りは苦手なのかな…。
それに、BUFFALO製のメモリ以外だと、
制限があるので使いにくい。

RamPhantomEX LE

こちらもパソコン周辺機器メーカーで、
メモリも売ってる日本のI-O DATA機器。

サイトを見てみたらBUFFALOよりも、
ソフト開発に力を入れていて、
とても魅力的なRAM DISKに見えた。

と思ったら…、
「I-O DATA機器の対象製品をご利用だと無料ダウンロード可」
と書いてあるので、ダウンロードする時に、
シリアルナンバーを入力する必要があります。

I-O DATA機器製の商品を持ってないので、
諦めるしかないですね。

SoftPerfect RAM Disk

OS管理外が使えないので、
32bit Windowsだと意味がない。
口コミだと不具合も多いようです。

公式サイトもどうなってるのか、
ダウンロードページに辿り着けません。

Dataram RAMDisk

昔使ってた人達の感想は上々なのですが、
どんどん、改悪していって、
今は評判悪いみたいです。

RAMDA

フリー版もあるけど、ダウンロードするまでに、
色々面倒くさいので却下。

作者さんと、個別にコンタクトを取って、
URLを教えてもらってから、
初めてダウンロードできるみたいです。

StarWind RAM Disk

説明を調べたり、スクリーンショットを見ても、
OS管理外メモリを使えそうな感じには見えない。

日本語サイトでの情報が極端に少ないから
トラブルが起きた時に、対処しにくそう。

うーむ、これはという使いたいRAM DISKが無い…。

ERAM

とりあえずシステム復元で、
復元ポイントを作って、
ERAMを試してみた。

古いソフトでどうかと思ったけど、
付属の説明書が、商品レベルに整っていて、
問題無くできました。

でも、RAM DISKを作れたのに、
ハードディスクみたいにしたいと思って、
「実デバイス」をチェックして再起動したら、
それ以降、RAM DISKドライブが消滅してしまった。

色々設定をいじって試してみてたら、
OSが起動しなくなった…。

セーフモードからなんとか復帰。
その後も調べていたら、
どっちにしろERAMだと、
あることができないようである。

あることとは後半で説明する。
アンインストすることにした。

QILING Disk Master Free

次に試してみたのは、QILING Disk Master Free。
しかし、インストールの最後にエラーが出た。

それでも、インストールが終わったので、
起動しようとしたら、エラーで起動しない。

使えないならと、アンインストールしようとしたら
これまたエラーが出て消せない。

検索して調べてみようにも、
日本人で使用者が少ないのか、
解決法が見当たらない。

そもそも、エラーのポップアップに、
分けわからない言語で説明が出てくる。
怪しい…。

エラー内容を調べてみたら、

  • ソフトがアクセスしてはいけない領域にアクセスしてる
  • メモリのアドレスがかぶってる
  • IMEとアドレスがかぶってる
  • ウイルス
と出た。
IMEは付けても消しても変わらなかったので他が原因になる。
原因がどれであれ、消せないのは困った。

そういや、復元ポイントを作ったなと思って、
復元してみたら、ERAMインスト前に戻れた。

復元ポイントの大切さ

復元ポイントを作っててよかったぁ。
難しいことをする前には必須ですね。

はぁ…、パソコンって大変だなぁ。
これも全て自己責任ですから、
皆さんもやる時は、自己責任の覚悟を持ってやってください。

VSuite Ramdisk Free Editionは簡単だった。
最初に起動した画面で、
数値を入れたり、チェックするだけで、
すぐRAM DISKが作れて、
その後も、他に何の操作もいらずに快適動作でした。

VSuite Ramdisk Free Editionに、
戻りたい気持ちはありますが、
OS管理外のRAM DISKを、
無駄にしたくないので他を探します。

次は何を試そうかな…。
やっぱり日本人にユーザーが多いほうが、
情報が多くて助かると学んだので、
これまた怪しいけど、
Gavotte Ramdiskに挑戦してみます。

Gavotte RamdiskでOS管理外メモリにRAM DISK

公式サイトが無い。
ファイルのURLを見つけても、デッドリンクばかり。
それでも見つけて、なんとかインストール。

OS管理内からは作れたけど、
OS管理外からは作れなかった。

変だなぁ、普通にRAM DISKを作るだけで、
勝手にOS管理外の全領域で作ってくれるという説明なのに…。

手当たり次第にRAM DISKを使ってみることにした

もう、ここまできたらやけくそです。
上記に出てるRAM DISKを、
全部試してみることにしました。

ただ、

  • 自社製品を持ってないと使えないもの
  • 製作者と個別にコンタクトを取らないと、ダウンロードできないもの
  • インストールできないもの
は除く。

その結果…、
全てで、OS管理外のRAM DISKを作ることができませんでした。
OS管理内なら作れるんですけどねぇ。

VSuite Ramdisk Free EditionのOS管理外物理メモリの有効化

もうこうなったら、禁断の手段を使うしかない。
VSuite Ramdisk Free Editionの、
OS管理外を使うしかない。

そのボタンを押しただけで、
ブルースクリーンになった報告もあります。

怖いけど、せっかく増設したメモリを、
使えないのは勿体ないので、やるしかない。

いくぞー、ポチッ…

あれ?
なんともない。
そのまま通常の手順で、RAM DISKが出来てしまった。

再起動しても、ちゃんと出来てる。
容量も指定した通り。

タスクマネージャーで確認すると…、
Oh my god.
OS管理内領域で作ってるじゃないか。
管理外にチェックしてるのに…。

よく見てみると、
管理外メモリの空き容量が0である。

そんなわけないんだが…。
CPU-Zというソフトで見ても、
ちゃんと6GB搭載されています。
でも、どうやらこれが全ての原因らしい。

自動で管理外から作ってくれるはずのGavotteで、
管理内から作っていたのも、このせいなのでしょう。

搭載メモリ全体のうち、システムが認識してる部分だけ、
RAM DISKも認識していて、
それ以外の余った領域(OS管理外)が、無いことになってる。

ImDiskという新しいRAM DISKを見つけた

普通のRAM DISKは、VMwareで作られますが、
ImDiskはAWE(Address Windowing Extensions)
というAPIを使ってます。
別物なので、見逃してました。

ImDiskではなくImDisk Toolkitをダウンロードしよう

ImDisk公式サイト
ImDisk Toolkit

元々は、コマンドラインで使うソフトですけど、
今では有志によって、Toolkitバージョンが出ていて、
GUIで簡単に操作できるようになっています。

公式サイトにも、Toolkitがリンクされてますから、
本家の開発者にも、公認されてるようです。

ImDisk Toolkitのインストール

インストールでは、「Options」の
「Enable entries in context menus」と
「Create shortcuts on desktop」のチェックを外します。

「Enable entries in context menus」は、
“マイコンピュータ”でドライブを右クリックした時に、
アンマウント出来るようになります。

作ったRAM DISKを、アンマウントする機会がないのと、
システムドライブなどにも、
同様にコンテキストメニューが出るので、
誤クリックしてしまった時に怖いので、
チェックを外したほうがいいでしょう。

「Create shortcuts on desktop」は、
デスクトップに、3つのショートカットが作られます。
不要なのでチェックを外します。

RAM DISKは1回作ったら、
その後、何度も触るものではありません。

ショートカットがあっても、邪魔になるだけだし、
スタートメニューから起動できます。

「Install」を押します。

「RamDisk Configuration」を起動する

設定項目
SizeRAM DISKの容量を入力
Allocate Memory DynamicallyRAM DISKで使ってない場合にメインメモリとして認識する動的メモリ
Drive LetterRAM DISKだからR
File SystemNTFS
Launch at Windows StartupWindowsが起動するたびに自動でRAM DISKが作られるようになるのでチェックする
Create TEMP FolderRAM DISKの目的の一つなのでチェックする

その下の「Set TEMP Variables...」をクリックして、
「TEMP」と「TMP」の欄を「R:\Temp」にする。
「OK」を押す。

無事、ImDiskでRAM DISKが作られた

RAM DISKを作る前と後で、
利用可能メモリの値が変わってない。
ハードディスクの空き領域も変わってない。

これは、OS管理外から作られてるようだ。

設定を詳しく調べてみようと、
ImDiskのフォーラムを見ていたら、
Toolkitの作者がこんなことを言ってた。

「このRAM DISKはOS管理外を使わない」
まさか…。

RAM DISKとメインメモリの空き領域をチェックしてから
RAM DISKに100MBほどのファイルをコピーしてみる。

すると…。
RAM DISKもメインメモリも、同じ分だけ使用された…。
ImDiskが使うのは、OS管理内メモリだった。

どうやらPAE拡張に非対応

海外フォーラムを色々調べてたら、
似たように何をしてもOS管理外メモリを使えない人がいた。

その人に対するベテランの回答は、
「あなたのハードウェアがPAE拡張に対応してない」

今までの「正しくやってるはずなのに、なんで出来ないのだろう」
という疑問が、全て解決した気がする。

メモリの最大量を決める設定は2つある。
一つ目がBIOS
二つ目がboot.ini
その二つで違う数値を設定すると、BIOSが優先される。

このパソコンでBIOSの最大メモリ量の設定は以下の項目がある。

  • AUTO
  • 3.25GB
  • 3.00GB
  • 2.75GB

AUTOだと3.5GBになっている。
このBIOSで設定した数値以上のメモリは、
BIOSによって存在が消されるので、
一切使えなくなるようだ。

システムのプロパティには、
「物理アドレス拡張」と表記されてるにも関わらず、
OS管理外メモリという概念を持ってない。

ちなみに、「AUTO」に設定すると、
3.5GBのメモリが認識されるようになるが、
グラフィックボードのアドレスと競合してしまうみたいで、
デバイス認識されなくなって、
内臓グラフィックになってしまう。
よって、3.25GBで運用するしかない。

パソコンをチューンアップしたくても、
できる環境の人と、できない環境の人がいる。
増設したメモリは、無駄金となってしまった

色々なRAM DISKを比較してみた感想

今回、色々なRAM DISKを使ってみて、
一番簡単で使い勝手が良いのは、
文句無しでImDiskImDisk Toolkitだった。

他のRAM DISKと違って、
AWE(Address Windowing Extensions)を使ってるからだろう。

導入や設定に難しいことが何も無く、
ブルースクリーンでの強制再起動や、
OSが起動しなくなるようなトラブルが、
起きそうな気配がなく安定していた。

ページングファイル(仮想メモリ)をImDisk Toolkitに作る

ERAMの項目で言った“あること”とは、
この“ページングファイル”のことである。

OS管理外メモリは諦めたので、
OS管理内メモリを、ImDisk Toolkitで運用しようと思って、
ページングファイルを置いてみた。

すると、ImDisk Toolkitの致命的な欠点が見つかった。
AWEを使うImDiskで作ったRAM DISKは毎回ドライブが消えるので、
Windowsの起動ごとに、作り直さなければならない。

それは設定でチェックを入れれば、
勝手に作ってくれるので簡単ではあるが、
起動時の順番は、どうしてもシステムが優先されて、
外部ソフトは後回しになる。

という事は、OS起動時にページングファイル(仮想メモリ)を作ってから、
RAM DISKを作ることになる。

RAM DISKが、まだ作られてないなら、
ページングファイルは、どこにも置けないことになる。

つまり、ImDiskだと、
ページングファイルを作ることができないのだ。

ページングファイル(仮想メモリ)をRAM DISKに置くメリット

RAM DISKを長年使ってきて、気づいたことがある。
色々なソフトを立ち上げて使っていて、
あっちをアクティブにしたり、
こっちをアクティブにしたりしてると、
いつの間にか、パソコンが重くなってる時がある。

再びアクティブにしたら、
明らかにハードディスクにアクセスしてる挙動になる。
そうなったら、もう重い。
再起動するしかない。

だけど、使用メモリ量を見ても、
まだ余裕があるから、スワップしてるとも思えない。
この事は長年疑問だった。

Windows98やMeなら使ってるうちに、
どんどんメモリが圧迫していって重くなるが、
主に一般個人向けだと、Windows2000以降に適用されてるNT系は、
その問題を解決してるはず。

今回、調べていって知った。
実はメモリの上限まで使ってなくても、
ソフトを最小化して「今は使わないよ」という状況になると、
メモリを圧迫させないために、
ページングファイルに格納して、
メモリを空けるというのだ。

だから、またアクティブにした時に、
ページングファイルがあるハードディスクにアクセスして、
読み込み直してるわけです。

それだと重くなるし、
ハードディスクやSSDに、
無駄に負担を掛けることになってしまう。

論理的な説明と実体験が重なると、
すんなり理解できます。
「あの謎の重くなる現象は、ページングファイルが原因だったのか…」

ページングファイルをRAM DISKに置くことで、
それらを回避できるわけです。

結局VSuite Ramdisk Free Editionに戻った

OS管理外や、イメージファイルを使わなければ安定してる。
制限の4GB以上も使わない。
ページングファイルが置ける。
最初から日本語に対応してる。
何より、このパソコンとは最も相性が良い。

最後に、RAM DISKを作ったらやること

  • TEMP、TMPフォルダの設定
  • ブラウザキャッシュの設定
  • ページングファイル(仮想メモリ)の設定
  • 各ソフトに作業用領域を指定できる場合は設定
  • RAM DISKドライブのシステムの復元を切る

他にも、ダウンロードフォルダに設定することも便利です。
ダウンロード中は、ファイルを細かく何度も、
ハードディスクに書き込むので、
それをRAM DISKにすることで、
ハードディスクやSSDの負担を減らすことができます。

ダウンロード後に、ハードディスクに移す場合も、
ハードディスクからハードディスクの場合と違って、
とても高速にコピーされます。

ただし、ダウンロードするファイルの大きさ以上の、
RAM DISKの容量が必要になります。

「RAM DISKをレビューして高速化体験記」のまとめ

お金と時間を使って、たどり着いた結論が、
「自分のパソコンには対応してない」だった。トホホ…。

メモリチップがエルピーダになったことに、
自己満足を感じるしかない。

でも、RAM DISKは速度的にも、
ハードディスクやSSDを守るためにも、
今後も必要なものだと考えてるので、
今回、色々なRAM DISKを見ることができたのは収穫になりました。

ただし、これぞというものがないので、
64bitOSに乗り換えた時に、
どのRAM DISKを使えばいいか悩みますね。
ImDiskにページングファイルが置けたらなぁ…。

-----追記-----
チップセット『Intel 945G Express』による仕様で
PAE(物理アドレス拡張)をしても
OS管理外メモリを扱えないようです。

他のチップセットを使ってる32bit Windowsの方は
上記で示した方法でもOS管理外メモリを使える可能性があります。