コスパの良いおすすめヘッドホンの選び方・ATH-PRO5Xのレビュー

ヘッドホンは上も下もピンキリの世界です。

コスト度外視なら数十万円する高級ヘッドホンから
音質が劣悪でも音が鳴るだけでいいなら
百均でも売ってます。

コスパの高い、ちょうどいい所を狙いましょう。

コスパ重視の場合は耐久性が命

コスパを考えた場合に
コスト=価格
パフォーマンス=音質
これだけを考える人がいます。

しかし、ヘッドホンは結構壊れやすいので
いくら音質的にコスパの良いヘッドホンを購入しても
それが早期に壊れてしまったら
また買い直すため、コスパは最悪になります。

よって、コスパ重視な人ほど
耐久性が最も重要になります。

折りたたみ機構は要らない

最近のヘッドホンはハウジング部分が回転して
平たくコンパクトになるとか
アーム部分が折れ曲がって
ハウジングをヘッドバンド内に仕舞えるとか

やたら携帯性を重視してる製品が多いですけど
ヘッドホンをバッグに入れて
持ち運ぶ人ってそんなに多いのでしょうか?

外で使うなら、どうせ雑音も多いし
音質に拘らずにイヤホンにしたらいい。

ハウジングが左右に回るタイプを購入した経験では
最初は「当たる角度が微調整できるから
フィット感が向上するかも」と思いましたが

自分の口を開けたり閉じたりすると
耳の前あたりの骨が動くので
ハウジングも連動して動くのです。

その回転部分のプラスチックが動くと音がする。
それがノイズとなって邪魔すぎた。

首を左右に振っても動くから音がする。
最悪でした。

で、この可動部分は
耐久性において非常にデメリットなのです。

プラスチック製の回転部分が折れて
2年でヘッドホンの購入を余儀なくされました。

可動部分は出来るだけ少ないほうが望ましい。
あっても金属製を選ぶ。

リケーブル可能(着脱式コード)

リケーブルとはケーブルを繋ぎ替える機構のこと。

ヘッドホンが壊れる一番の要因は
ケーブル内の断線です。

特に出力側に繋げるプラグの根本や
ヘッドホン側に接続する根本が断線しやすい。

断線した場合にケーブルだけ交換できれば
被害はそれだけで済みますが
リケーブル非対応だと
ヘッドホン自体を買い換えなければならないので
コスパが悪くなります。

リケーブルで音質向上を謳うのは現実的ではない

ケーブルによって音質が向上する事はあります。

ケーブルの内側と外側やプラグの素材や品質により
音を伝達する精度が異なるので
音が変わらないというのは物理的にはありえない。

しかし、それによって音質が
目に見えて大きく向上することも無い。

もし、そこで大きな差があるなら
メーカーはもっとケーブルを重視するはずです。
実際は安物を使ってる。

よって、重要なのはケーブルが持つ音質の差よりも
拾うノイズをどれだけ減らせるかです。

太いケーブルで保護して、拾うノイズを減らすことで
音質の劣化を防ぐことがメインになります。

例えば、住宅購入前に最新鋭の地盤調査機を使うと
更地の地面でも常に揺れてる事が分かります。

その微細な揺れを機械で感知して
地盤の深度ごとに揺れやすさを調査します。

「地下20メートル付近に揺れやすい層がある」
などが測定できるのです。

雨が降ると地面の揺れが増えることを確認できるので
雨程度でも地面は影響を受けて揺れます。

常に揺れてる地面の上に家を建てるので
建物も常に揺れています。

壁も床も揺れてます。
その上に置く机なども揺れてます。
人間が感じなくても揺れてます。

家の内部を電磁波測定器で調べてみると
家電製品の周辺で高くなったり
コンセントのある壁や
そのケーブルが通ってる壁、床、天井なども
電気を通すと電磁波の数値が高く出ます。

この様に、家の中はあらゆる場所で
ノイズが発生してる状況です。

無駄に長いヘッドホンケーブルを使って
机や床に触れてるとノイズを拾ってしまい
音質に悪影響を及ぼします。

だから高音質ケーブルは厚くして
ノイズを減らしますが、それでも拾います。

ケーブルを適切な長さにして
入力プラグからヘッドホンまで
ケーブルが浮いてる状態だと
音質的に有利になります。

ケーブルに余裕の無い状態で動いて引っ張ると
プラグを痛めたり、断線しかねないので
取り扱いに注意は必要です。

しかも、そういった高音質ケーブルは
5000円とかしたりします。

10万円のヘッドホンを買って5000円のケーブルなら
音質重視派としては当たり前の感覚ですが

1万円のヘッドホンを買って5000円のケーブルは
費用対効果が悪すぎる。

ケーブル由来の高音質化は
ドライバーユニットと比べたら影響は遥かに小さい。

そこらの凡人が陸上スパイクで100mを走るよりも
陸上選手がスニーカーで走ったほうが速いように
根本的な部分が大事。

音質を重視したいのであれば
ケーブルをどうこうするよりも
最初から高音質なヘッドホンを選ぶべき。

それにリケーブルする場所も考えないといけません。

出力側からヘッドホンの左のハウジングまでを
高音質ケーブルに交換しても
左のハウジングから右のハウジングまで
ヘッドホン内を通るケーブルは
最初から付いてる安物のケーブルです。

つまり、左耳と右耳で聞こえる音質が違うのです。

左右で違う音を聴いておきながら
「リケーブルで音質が上がった」なんて言ってる人は
確実に音の素人です。

音を聴き分ける必要のあるプロは
そんなチグハグな構成にしません。

リケーブルは断線時に対処できる事が利点であって
音質向上目的でするものではない。

ヘッドホンの形状は重要

ヘッドホンは一見同じように見えても
耳に乗せるオンイヤー型と
耳を覆うアラウンドイヤー型がある。
(オーバーイヤー型と書いてるメーカーもある)

議論の余地無くアラウンドイヤー型をお勧めする。

オンイヤー型は耳をずっと圧迫してるので
長時間使用に向かない。

正座をしばらくすると足が痺れるように
耳が痺れやすい。

それに縦にも横にもズレやすく
スイートスポットから外れやすい。

ドライバーユニットも小さいため音質的にも不利。

同等性能だと音質は
スピーカー>ヘッドホン>イヤホン
左に行くほど音質が良いのは
音を響かせるユニット部分が大きいからです。
重低音も出るようになります。

ヘッドホンならアラウンドイヤー型一択。

開放型か密閉型か

聴く環境で選びます。

音が漏れても大丈夫だったり
蒸れを軽減したい
外の音を聴く必要がある場合は開放型。

遮音性が必要なら密閉型を選ぶ。
ノイズキャンセリング機能付きもあります。

音質的には低音は密閉型が有利です。
その分、篭もりやすい。

開放型は高音の抜け感は良いけど低音が弱くて
軽い音になりがち。
音が外に逃げるので音量が大きくなる。

どっちが上とかは無いので
ヘッドホンメーカーもどちらかに絞ることはなく
両方をラインナップに並べています。

メリット、デメリットがはっきりしているので
自分の用途にあったものを選びます。

どちらでも困らないのなら
敢えて選択せずに、他の要素で選ぶのもあり。

有線式かワイヤレスか

接続方式も使い勝手に大きく影響する。

外で聴いたり、動いて聴くならワイヤレスがいい。
利便性は高い。

しかし、家で聴くだけなら有線式をおすすめする。

まずワイヤレスだと充電が必要になる。
使いたいと思った時に充電してなかったら
その手間やストレスは有線の取り回しを遥かに上回る。

それにワイヤレスは音の情報を飛ばすので
ロスが大きく出るため音質的にも不利。

ほんの少しだけ遅延が発生するので
音楽鑑賞してるだけなら問題無いけど
映像とリンクしてる音を聴く場合は注意が必要。

特にFPSゲームなど一瞬の遅れが致命的な場合は
有線にした方が無難と言える。

有線なら片出しケーブル

有線式は音に関するメリットが多いけど
ケーブルが邪魔というデメリットがあります。

特にケーブルが両出しタイプは非常にストレス。

何か手を使うたびにケーブルが当たります。
そのノイズが音にも悪影響する。

利き腕とは反対側の片出しケーブルが望ましい。

音質のコスパラインを見極める

上記の項目でヘッドホンの方向性を決めてから
やっと音質の議論に入る。

この手順を踏まないと、せっかく買ったのに
使い勝手が悪くて後悔してしまいます。

ヘッドホンに限らず価格帯が幅広い製品は
ある程度まで価格のアップと性能のアップが比例する。

そのラインを超えると少しの性能アップのために
価格が急上昇する世界。

その分岐点がコスパラインだ。

ヘッドホンのコスパラインは定価2万円前後。
1万5000円から2万円台前半は
各社ともラインナップに力を入れている。

ただし、それは定価なので実売価格だと
発売してしばらくは5000円くらい低く
数年経つと1万円くらい安くなるケースもある。

つまり、コスパラインの実売価格は1万円前後になる。

ハイレゾ対応は必須ではない

音質を考えた時に出てくるワードとして
「ハイレゾ」があります。

高域再生性能が40kHz以上だと
ハイレゾ対応品になります。

人間が聞こえる音は20kHz以下ですから
聞こえない音を再生する能力と言えます。

意味無いかと言うと
人間の耳では聞こえない領域の音だけど
音は振動なので何かは感じる。

その微妙な臨場感の差を
感じる可能性があるのがハイレゾ。

価格をアップしてまで
ハイレゾ対応が欲しいかは予算にもよる。
無くても困らない。

そもそも、世の中に出回ってる様々な音源のうち
ほとんどは容量を減らすために圧縮されていて
聞こえない領域の音をカットしています。

ハイレゾ音源が非常に少ないので
それをハイレゾヘッドホンで聴いても意味はない。

ハイレゾ音源を自分で用意して
主にそれを聴く場合はハイレゾ対応品を選ぶ。
そうでない場合は非対応で問題無い。

モニターヘッドホン

ヘッドホンはモニター用とリスニング用があります。

モニターヘッドホンは原音をそのまま再生する。

それぞれの楽器の音をしっかり聴きたいとか
複数ボーカルの声を聴き分けたい時など
細かく聴く場合に有効になる。

FPSなどのゲームでも足音が重要な場合は
モニターヘッドホンのほうが聴き取りやすい。

逆にリスニングヘッドホンは加工された音なので
全体的にマイルドになって耳障りは良い。

その分、制作者の意図や現場の音とは違って
作られた音になる。
それをヨシとするか、ダメと思うか次第。

音を細かく聴かずに
全体的になんとなく聴く場合は
耳障りが良いリスニング用を選ぶ。

ちなみにリスニングヘッドホンは一般的なので
カタログにいちいちリスニング用とは書いてない。

モニターやDJなど特別な表記が無ければ
リスニング用と思っていい。

おすすめヘッドホン「オーディオテクニカ ATH-PRO5X」のレビュー

現在、日本で買えるヘッドホンを調べてみたら
オーディオテクニカのATH-PRO5Xが
最も多くの条件に当てはまった。

ATH-PRO5Xの耐久性

ATH-PRO5XはDJ用ヘッドホンなので
手荒に扱うことを想定していて
耐久性を重視している。

アーム部分は金属製なので頑丈さが頼もしい。
プラスチック製みたいな安っぽさが無い。

ハウジング部分は横回転の機構が無いのは嬉しいが
縦回転でハウジングが裏返しにできる。

DJ用なので、DJがヘッドホンを頭に乗せずに
片手で持って片耳で聴くために
裏返しにできるようになっている。

最初は「この可動部分が要らないな」と思ったけど
ヘッドホンは当然ながら蒸れやすいため
使用後は乾燥させたい。

ハウジングの裏返し機構が無かったら
左右が閉じて乾きにくい。
皮脂が栄養になって細菌の繁殖に繋がる。

よって、使用してない時は
ハウジングを裏返しにする事で衛生的になる。

裏返しにする機構は
1つのハウジングに2カ所の支点があるので
1カ所の場合よりは耐久性が高そうだ。

願わくば、この可動部分も
金属製であって欲しかった。

ATH-PRO5Xはリケーブル(着脱式コード)可能だが

ATH-PRO5Xはリケーブル対応品。
リケーブルは断線対策で必須なので有り難いが
これがどうも使いにくい。

まず、ケーブルの両端に付いてるプラグだが
入力側は3.5mmの一般的なミニプラグなのに
ヘッドホン側は2.5mmとなっている。

市場に最も流通量が多いのは3.5mmなので
わざわざ2.5mmを使う意味がない。
両方とも3.5mmであって欲しかった。

それでも3.5mm-2.5mmケーブルは売ってるので
まあいいかと思ったら・・・

DJ用だからヘッドホンを動かすので
ケーブルが外れないように
バヨネットロックという方式が採用されてる。

具体的に言うと
ヘッドホン側のジャックに突起が付いてて
ケーブルのプラグ側がL字にエグれてる。

突起とエグれてる部分を合わせて押し込み
少し回すとロックされる仕組みだ。

ロックするとケーブルが外れないので
DJ用にはいいのかもしれないが
普段、座って落ち着いて聴く人には不要だ。

この機構のせいで
リケーブルするための候補が激減する。

リケーブルが必要になったら突起を切っちゃうか
プラグ側をカッターでエグると
普通の3.5mm-2.5mmケーブルでも繋げそうなので
致命的にはならないけど、手間は掛かりそう。

それが嫌なら、割高なパヨネットロック付きを買うか。

ありがたい事にケーブルが2本入ってるので
例え1つが断線しても
もう1つあるため、当面の心配は無さそうだ。

ATH-PRO5Xはアラウンドイヤー型

アラウンドイヤー型も必須条件なので
これは申し分無い。

側圧も優れてる。

ヘッドホンによっては側圧が強すぎて
耳の周辺が痛くなるものもあるけど
ATH-PRO5Xはマイルドな側圧で心地良いのに
緩くはないというフィット感が素晴らしい。

ATH-PRO5Xは密閉型

開放型か密閉型かは好みが分かれるが
開放型のデメリットの音漏れは
致命的になるケースがあるけど
密閉型は幅広く対応できる。

ATH-PRO5Xは有線式

有線式で、左からの片出しケーブルは
音質、遅延、充電不要、取り回しなどを考慮すると
家で座って聴く分にはベストになる。

ATH-PRO5Xはイヤーパッドを交換できる

イヤーパッドは長年使うとボロボロになる。
みすぼらしくなってしまうけど
交換できるなら、その点は心配要らない。

だけど、イヤーパッドを交換するよりも
ヘッドホンカバーをおすすめする。

ヘッドホンカバーについてはこちら
MIMIMAMOのヘッドホンカバーは必需品

結論:ATH-PRO5Xはコスパ最強

音質的には各社の定価2万円前後と比べて
同等以上のものがある。

それが1万円を切る価格で購入できるのだから
コスパは相当優れてると言える。

ATH-PRO5XはDJヘッドホンなので
基本的にモニターヘッドホンの特性に加えて
耐久性が上がっている。

モニターヘッドホンらしく
主旋律以外の音もよく聞こえる。

映画で強い風が吹いてるシーンでは
リスニングヘッドホンと比べて
風の臨場感が半端なかった。
まるでその場に居るみたいに。

音質と耐久性のコスパは最強クラスで
リケーブルに難点があるけど
それ以外の仕様はほぼ完璧に近い。

現状、最もおすすめできるヘッドホンが
オーディオテクニカのATH-PRO5Xと言える。

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