紙幣は偽造防止のために、
20年くらいの間隔で新しくなります。
今回は、一万円札、5000円札、1000円札、500円硬貨が、
デザインを変えると発表されました。
新一万円札は渋沢栄一
渋沢栄一が、新一万円札に選ばれました。
嬉しいですね。
近代日本を造った人と言っても過言ではありません。
渋沢栄一の人生
江戸時代に武蔵国(現・埼玉県深谷市)で、
裕福な農家の長男として生まれる。
実家は豪農だったため、ただ農作物を作るだけでなく、
仕入れなどで商売を学ぶ。
剣術を幕末三大道場の千葉道場で習った。
その千葉道場で勤皇志士たちと知り合って、
尊皇攘夷に傾倒する。
尊皇攘夷に一旦行き詰まると、
一橋慶喜の家臣として仕える。
一橋慶喜とは、後の15代将軍・徳川慶喜である。
そのため、江戸幕府の幕臣となる。
明治維新が起こると、幕臣だったのにも関わらず、
優秀さを認められ、明治政府側の大隈重信に説得されて、
大蔵省(現・財務省)に入省して、大蔵官僚となる。
大蔵省を辞めたあとに経歴を活かして、
実業界に打って出て、
500以上の会社の設立に関わり、
「日本資本主義の父」と呼ばれるようになります。
渋沢栄一が作った会社一覧
全部で500以上もありますので、
有名なところだけ抜粋します。
- みずほ銀行
- 東京ガス
- 東京海上日動火災保険
- 王子製紙
- 帝国ホテル
- 東京証券取引所
- キリンビール
- サッポロビール
- 東京急行電鉄
- 秩父鉄道
- 京阪電気鉄道
- 太平洋セメント
- 東洋紡
- 東京製綱
- 東急不動産
- 大日本製糖
- 明治製菓
- 澁澤倉庫
- 一橋大学
業種を問わず有名企業が多いです。
日本の礎を築いたと言っても過言ではありません。
渋沢栄一が尊敬される理由
当時は、渋沢栄一ほどではないにせよ、
起業する人はいっぱい居ました。
それらの多くは私利私欲の部分もあり、
財閥として牛耳っていました。
- 三井高福(三井財閥)
- 岩崎弥太郎(三菱財閥)
- 安田善次郎(安田財閥)
- 住友友純(住友財閥)
- 古河市兵衛(古河財閥)
- 大倉喜八郎(大倉財閥)
- 浅野総一郎(浅野財閥)
などが明治初期に作られた財閥です。
今でも名前が通じる有名財閥がいくつもあります。
しかし、渋沢栄一は500以上の会社を起業していながら、
渋沢財閥を作りませんでした。
渋沢栄一
「私利を追わず公益を図る」
「企業の目的が利潤の追求にあるとしても、その根底には道徳が必要で、公益を第一に考えるべき」
日本を発展させたい一心だったのです。
日本最高額の紙幣である一万円札に相応しい人物ですね。
渋沢栄一記念館
渋沢栄一の地元である埼玉県深谷市には、
渋沢栄一の遺墨、資料、写真等を展示してる記念館があります。
今回の新紙幣に選ばれたことで、
渋沢栄一記念館は賑わいそうです。
年末年始以外は、特別な臨時休業を除いて開館しています。
開館時間は9:00~17:00になります。
新5000円札は津田梅子
津田梅子は、私立女子大学の最高峰である「津田塾大学」の創立者です。
日本に女子教育を持ち込んだ人物になります。
津田塾大学には、津田梅子の教育観が詰まってますので、
卒業生の評価が高く、就活ではとても強いです。
津田塾大学の卒業生としては、
字幕翻訳家の戸田奈津子や、
元NHKアナウンサーでキャスターになった草野満代などがいます。
津田梅子は、岩倉具視使節団にも同行してアメリカに残り、
日本女子初の留学生でもあります。
新1000円札は北里柴三郎
北里柴三郎は、ペスト菌を発見したり、
破傷風の治療法を確立した世界的な細菌学者です。
「日本細菌学の父」と呼ばれています。
東京大学医学部出身で、
ドイツに留学します。
ドイツでは、「近代細菌学の開祖」と呼ばれる、
ロベルト・コッホに師事しました。
日本に戻ってからは野口英世など、
多くの医学者を育てています。
新紙幣の発行はいつから
日本政府によると、2024年度前半を目処に、
新紙幣を発行すると発表されました。